赤鶴しゃくづる)” の例文
赤鶴しゃくづるの目だけがそれを見つけだしたと思うてくだされい。とにかく、異相とは見えぬが一種の御異相
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「どうしてですの?」と、卯木もそこへうずくまりながら、追い打ちをかけて「……どうして、赤鶴しゃくづるさま、そんなお望みを持ったのですか。おやかた様のどこがそんなに?」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして泣き濡れるあいだにも、ふと卯木の胸には、赤鶴しゃくづるが自分へ言った、あのいまわしいことばが、自分の予感そのままな実感となって来て、一ばい悲しさがせぐられていたのだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仮面師めんし赤鶴しゃくづるが一心にのみに写しとっておいたあの一作であったのだ。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)