賓客マレビト)” の例文
其家よりも高い階級と見られる人が賓客マレビトとして迎へられ、舞人の舞を見、謡を聞く事は勿論、舞人なる処女を一夜の妻に所望して、その家に泊つた事は、允恭紀に見える事実である。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
歌垣のかけあひに練り上げた頓才から、室の内外の模様に出任せに語をつけて、家あるじの祝福、賓客マレビトの讃美などの、類型式ながら、其場の興を呼ぶ事の出来る文句が謡はれる風が出来て来た。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ともかくも、遠旅トホタビを来た賓客マレビトに対して、「その駒」に蒭飼クサカふ事は、歓待の一表出である。「其駒」自体の様に、何処に目的のあるやら、だから、腑の抜けた様な歌が、生彩を放つて来る訣である。