二葉亭四迷ふたばていしめいでて以来ほとんど現代小説の定形の如くなった言文一致体げんぶんいっちたいの修辞法は七五調をなした江戸風詞曲の述作には害をなすものと思ったからである。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
これは、山田美妙斎などによって提唱された言文一致体げんぶんいっちたいの文章に対する反抗となったものであって、特に露伴君の文章なぞは、大いに世を動かしたものであった。
明治十年前後 (新字新仮名) / 淡島寒月(著)