覚海尼公かっかいにこう)” の例文
しかし母の覚海尼公かっかいにこうの心配と願いが、何にあるかは、やっと、それで得心がいった眉だった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狂癲きょうてんの持病を発作したり、キャキャとはしゃぐと、よくよだれを垂らしたりしたので、彼を盲愛する生母の覚海尼公かっかいにこうも、後見の長崎円喜えんきらも、たまりかねて、その栄座から、ひっ込めたものであったが
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)