西播怪談実記せいばんかいだんじっき』という本に、揖保いぼ新宮しんぐう村の民七兵衛、山にまき採りに行きて還らず、親兄弟歎き悲みしが、二年を経たる或る夜、村のうしろの山にきて七兵衛が戻ったぞと大声に呼ばわる。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)