袖無ちゃんちゃん)” の例文
すると当分糸公にもえないから、平生へいぜい親切にしてくれた御礼に、やってやるよ。——狐の袖無ちゃんちゃんの御礼に。ねえ好いだろう
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「寒くなった、狐の袖無ちゃんちゃんでも着よう」と宗近君も、つかぬ事を云う。二人は離れ離れに口を発いている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
阿爺おとっさんのものばかり縫って、ちっとも兄さんには縫ってくれないね。狐の袖無ちゃんちゃん以後御見限おみかぎりだね」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)