葌斎かんさい)” の例文
文化九年は蘭軒がために何か例にたがつた事のあつたらしい年である。何故かと云ふに、葌斎かんさい詩集に壬申の詩が一首だに載せて無い。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
それは蘭軒の遺した所の葌斎かんさい詩集が、年次を逐つて輯録せられてゐて、此年の干支辛酉しんいうが最初に書中に註せられてゐる事である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしは只葌斎かんさい詩集に見えてゐる本草経が或は枳園の本草経に似た未定稿本であつたのではなからうかと云ふのみである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)