茹莢ゆでさや)” の例文
其の途中で籠に入れた茹莢ゆでさやを抱へた煑賣屋の娘に行き逢つた。「お早う。」と頷いて行く彼女の頬は、はち切れさうに膨れて、針のさきで輕く突いても、紅い血がパツと迸りさうであつた。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)