臍緒書ほぞのおがき)” の例文
成程その笠には武州川越次郎兵衛と書いてあるが、屋敷へ連れ帰って調べてみると、彼が所持する臍緒書ほぞのおがきには野州宇都宮在、粂蔵の長男粂次郎とある。
当時、孫右衛門はまだ妻が生きていたし、浪人の信頼するようすがしんけんなので、たしかに引受けたと云って承知し、赤児といっしょに臍緒書ほぞのおがきや系図なども受取って、雨が晴れると同時に宿を立った。
みずぐるま (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
こんな奴でもやはり昔の人間で、臍緒書ほぞのおがきはちゃんと持っていたのです。