紙石板かみせきばん)” の例文
彼は廉一の紙石板かみせきばんへ、山や船を描いてやつた。「向島むかうじま花ざかり、お茶屋のねえさんちよいとお出で。」——どうかするとそんな昔の唄が、覚束おぼつかない筆蹟を見せる事もあつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)