粂之介くめのすけ)” の例文
死に別れた過去の友と、もうこれもこの世の人ではないが、あの実兄粂之介くめのすけと。それ以外、社会に真実などは求めてもあり得ない。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今までは、好意に聞いていた粂之介くめのすけ夫婦の言葉も、そう気づいてみると、皆自分をこばむ針のように思いなされて来た。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
血縁の家である、それでなくてさえ、世間は疑いの眼を向けたがっているのだから——と、粂之介くめのすけはいう。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)