稜威イツ)” の例文
柳田国男先生は、此すぢをもつて、我国の古語、稜威イツと一つものとして、まな信仰の一様式と見て居られる。
琉球の宗教 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おもろ双紙にも、王を褒めて「せちあらとみ」といふ語の見えることは、先に触れておいた。せぢは日本で言ふ稜威イツである。あらは新の字を宛てるが、出現の意に使つた類例が多い。
日琉語族論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
柳田国男先生は、まななる外来魂を稜威イツなる古語で表したのだと言はれたが、恐らく正しい考へであらう。いつ・みいつ・いつのなど使ふのは、天子及び神の行為・意志の威力を感じての語だ。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)