秋霜凛烈しゅうそうりんれつはもとより軍紀の骨胎こったいだが、血風蕭々しょうしょうの日にも、彼の将座にはどこか春風が漂っていた。誰やらの句にもいう。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)