世間では内記のひじりと呼んだ。在俗の間すら礼仏誦経らいぶつじゅきょうに身心を打込んだのであるから、寂心となってからは、愈々精神を抖擻とそうして、問法作善さぜんに油断も無かった。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)