画竜点睛がりょうてんせい)” の例文
「いつか石川さんが、画竜点睛がりょうてんせいというようなことを云っていましたでしょ、あれはね、本当はおけいが教えてあげたことなんですの」
扇野 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ところがこの好奇心が遺憾なく満足されべき画竜点睛がりょうてんせいの名前までいよいよ読み進んだ時、自分は突然驚いた。名あてには重吉の姓と名がはっきり書いてあった。
手紙 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
蛮人の顔のクローズアップにはこの映画に限らず頭の上をはうはえが写っている。この蠅がいわゆる画竜点睛がりょうてんせいの役目をつとめる。これを見ることによってわれわれは百度の気温と強烈な体臭を想像する。
映画雑感(Ⅰ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
深喜はかたく眼をつむり、首を振り「これで画竜点睛がりょうてんせいだ」
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)