画巻ゑまき)” の例文
黒い塗り笠がちらりと光つて、面に仄かな影がさして、薄青い着つけが細つそりして、——まあ当麻寺たいまでら画巻ゑまきか何かの女房に会つたやうな心もちである。
金春会の「隅田川」 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それも寂しすぎると云ふだけなら、何処どこか古い画巻ゑまきじみた、上品な所がある筈だが、寂しい癖に薄情らしい、妙に落着いた所があるのは、どう考へても頼もしくない。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)