甘蔗さとうきび)” の例文
甘蔗さとうきびのひと節を短刀のごとく握り持ってその切っ先からかじりついてかみしめると少し青臭い甘いしるが舌にあふれた。
自由画稿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
父は津田仙さんの農業三事や農業雑誌の読者で、出京の節は学農社からユーカリ、アカシヤ、カタルパ、神樹しんじゅなどの苗を仕入れて帰り、其他種々の水瓜、甘蔗さとうきびなど標本的に試作しさくした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そうして、肉桂酒にっけいしゅ甘蔗さとうきび竹羊羹たけようかん、そう云ったようなアットラクションと共に南国の白日に照らし出された本町市の人いきれを思い浮べることが出来る。
郷土的味覚 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)