玫瑰はまなす)” の例文
此が玫瑰はまなすの花で玫瑰の木は枝も葉も花も一切薔薇の木と異ならぬ。只海邊に自然に生長して居るだけ枝も葉もひねびて一段の雅致を帶びて居る。
佐渡が島 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
情けない土地柄だということだったが、来てみると玫瑰はまなすの実ばかり落々たる砂丘まじりのなぎさがはてしもなくひろがり、そのむこうに、秋ざれの陸奥の海が轟くような音をたてて巻きかえしている。
奥の海 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)