獨木舟カヌー)” の例文
新字:独木舟
その帆掛獨木舟カヌーは、今丁度外海から堡礁の裂目にさしかかつた所だつた。陽射しの工合から見れば、時刻は午を少し𢌞つたところであらう。
家の裏から直ぐ海に向つて、大きな獨木舟カヌーがしまつてあり、其の周圍に雜然と鍋・釜・トランク・鏡・椰子殼・貝殼などが散らかつてゐる。
獨木舟カヌーの置いてある室の奧に、一段ゆかを高くした部屋があり、其處に家族等がうづくまつたり、寢そべつたりしてゐるらしい。