狡智かうち)” の例文
彼の狡智かうちな顏つきに接せず、しかも、そんな、汚なくばかされる人間そのものを、てんから馬鹿ものとして耳にしてゐたからなのかも知れない。
春宵戯語 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
そのやり口が巧妙になつてからは断じてはづれなくなつた。正しかるべき人間が、いつしか狡智かうちと謀略にたけてゆく過程を私は身を以て知つた。
老残 (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)