瀕死者ひんししゃ)” の例文
今まで氷のように冷たく落着いていたクララの心は、瀕死者ひんししゃがこの世に最後の執着を感ずるようにきびしくはげしく父母や妹を思った。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
乳母は狂気のように、瀕死者ひんししゃの耳もとに口をあてて叫けぶのだ。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)