ナギサ)” の例文
どこまでもどこまでも、野の果て、山の末、海のナギサまで、日を送つて行く女衆が多かつた。さうして、夜に入つてくた/\になつて、家路を戻る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
山の端に立つた俤びとは、白々シロジロとした掌をあげて、姫をさし招いたと覚えた。だが今、近々と見る其手は、海のナギサの白玉のやうに、からびて寂しく、目にうつる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)