沂水きすい)” の例文
この役は、朱貴にとっても、好都合なものであったから、勇躍して、彼もまた李逵のあとからすぐ沂水きすいへ出発した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——それはここの対岸で、見張り役の酒店をやっている朱貴しゅき兄哥あにきにこした者はありません。朱貴も沂水きすい県の生れで、李逵りきとは同じ在所の出ですからね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういういきさつから李逵もまた、やがて大寨たいさいの友としばしの別れを告げ、その故郷、沂州きしゅう沂水きすい県へと、野太刀一本の身軽な姿で、旅立って行ったのだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)