水飲みずのみ)” の例文
「直義一ぜいはいま、箱根路の三島口、水飲みずのみという部落の前にほりを切って、一族死に物狂いでふせぎ戦っていると申す。……我慢はここわずかなまだ。死ぬなと申せ」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、ここに暁の総なだれをおこし、その日から翌日へかけ、海道は敗走の足利兵がひきもきらず、直義はやがて、箱根の水飲みずのみ(三島口の山中)に拠って、味方をまとめていると聞えた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)