毛筋棒けすき)” の例文
みかえる水の音に、わたくしの言うことが聞えなかったのか、又は聞えない振りをしたのか、女は何とも答えず、肌ぬぎのまま、鏡台の前に坐り毛筋棒けすきびんを上げ、肩の方から白粉をつけ初める。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)