播磨はりまの赤松家の一族に、椙原伊賀守賢盛すぎのはらいがのかみかたもりと云ふ人があつた。後に薙髪ちはつして宗伊そういと云つた人である。それが椙原を名告なのつたのは、住んでゐた播磨の土地の名に本づいたのである。
椙原品 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)