かどの芝居見物の日には、梨影女も供をした。五ツになる辰蔵は、ばば様の膝で、父の山陽がひいきにしている梅玉座頭ばいぎょくざかしらの忠臣蔵に目をまるくして大人しくしていた。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)