「其の武士さむらいは、小堀伝十郎こぼりでんじゅうろうと申す——陪臣ばいしんなれど、それとても千石せんごくむのぢや。主人の殿との松平大島守まつだいらおおしまのかみと言ふ……」
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)