東岳廟とうがくびょう)” の例文
泰山たいざんはこの日、人間の雲だった。わけて東岳廟とうがくびょうを中心とするたてものの附近は社廟やしろの屋根から木の上までがまるで鈴なりの人である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
来てみれば、東岳廟とうがくびょうと並ぶ五岳楼がくろうの廻廊の欄干に、それらしき武家風の若者十人ばかりが、腰かけている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、侍女の錦児をつれて、この先の東岳廟とうがくびょうへ参詣にいった帰り途、なにか殿帥府でんすいふの若い武士どもにからまれて悪戯わるさに困っているとのこと。捨ててはおけぬ。——ご免!」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)