木陰コカゲ)” の例文
半世紀を経た位の木ぶりが、一様にソロつて見える。月の光りも薄い木陰コカゲ全体が、勾配を背負つて造られた円塚であつた。月は、瞬きもせずに照し、山々は、深くマブタを閉ぢてゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)