父は元、御先代のおやかた信秀のぶひで様の足軽組に仕えおりました、木下弥右衛門きのしたやえもんと申すもの。てまえは、弥右衛門の子日吉ひよしといい、父のい後、中村で母と共に暮して来ました。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)