月天がってん)” の例文
向った丘に、もみじの中に、昼の月、虚空に澄んで、月天がってん御堂みどうがあった。——幼い私は、人界のきのこを忘れて、草がくれに、ひとえに世にも美しい人の姿を仰いでいた。
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)