“書割（デコール）” の例文

すべての動物が、かれらの野生的の書割（デコール）を携へて復活した。出血する叢や、黄金の草いきれが、かれらの皮膚を浸（ひた）した。これは、すさまじい伝説的性格の饗宴であつた。

鳥獣剥製所：一報告書 (新字旧仮名) ／ 富永太郎(著)

が、なんといふすばらしい変位（トランスポジシヨン）だらう！　これらの物象は、そのみすぼらしさのまゝ、動物らの喚び出した燦々とした書割（デコール）の中に溶け込んでゐた。さうして、その輝かしさの一合唱部を歌つた。

鳥獣剥製所：一報告書 (新字旧仮名) ／ 富永太郎(著)

“書割”の解説

書割、書き割り（かきわり）は、歌舞伎の用語に由来する舞台芸術の用語で、背景などを平面的に描いて設置される大道具のことを指し、典型的には、「張物（はりもの）」と称される木枠に張った紙や布に建物や風景などを描くもので、パネル様に複数に分けて（割って）使えることから、このように呼ばれるようになったものと考えられている。また、建物の壁や柱を一定の様式で、定規で線を引くように描がれることからこう呼ぶとされることもある。なお、舞台のみならず映画にも用いられることがあり、さらに広く様々な映像表現について、この言葉を用いることがある。
同様の役割を果たすものとして、背景に垂らす道具幕があり、広義では書割の一つの形態とみなすこともある。
(出典:Wikipedia)

書	常用漢字 小２ 部首:⽈ 10画
割	常用漢字 小６ 部首:⼑ 12画