文角もななめならず喜び、今は時節もよかるべしと、或時黄金丸をひざ近くまねき、さて其方そなたまことの児にあらず、斯様々々云々かようかようしかじかなりと、一伍一什いちぶしじゅうを語り聞かせば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)