敗鼓皮丸はいこひがん)” の例文
聖賢の言は、生活の虚飾として用いられ、いたずらに神仙の迷信のみ流行し、病人は高価な敗鼓皮丸はいこひがんを押し売りされて、日増ひましに衰弱するばかりなのだ。この支那の民衆の現状をどうする。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それから医者をかえて、さらに有名な大先生にかかったが、こんどは、蘆の根や、三年霜に打たれた甘蔗のかわりに、蟋蟀しっしゅつ一つがい、平地木十株、敗鼓皮丸はいこひがんなどという不思議なものが必要だった。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)