且つ従正は瀉を用ゐるに、殆所謂撓枉過中ぜうわうくわちゆうに至つて顧みず、瀉を以て補となすと云つた。これは世医の補に偏するを排せむと欲して立言したものである。蘭軒はかう云つてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)