恐ろしく急な山もあるものだと呆れた程、岩で築き上げたような狭い頂上は、手放しでは安心して立っていられないような気がした。それでも小さい祠があって、手力雄命たじからおのみことが祭ってある。
木曽駒と甲斐駒 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)