戦塵漠々せんじんばくばく)” の例文
巧々うまうま陥穽かんせいにおびき込んで、その二人だけは生け捕ったが、なおまだ、かんじんな張清のほうは、あれあのように、戦塵漠々せんじんばくばくと乱軍の中をけ廻って味方をなやまし、ほとんど
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのあいだ、尊氏が何していたかは、すでに多々羅全面、戦塵漠々せんじんばくばくのとどろきで、よくわからなかったが、ただしかし、彼がじっと、その危機感に耐えていたことにはちがいない。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)