懐紙挟かいしばさ)” の例文
別にこれぞという物もなかったが、その懐紙挟かいしばさみの中に、一じょうの絵図がしのばせてあった。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
スルリとすべって行ったので、あわてて拾い取ってみると、月明りでしかとは分らないが、どうやら古風な懐紙挟かいしばさみで、金襴革きんらんがわの二つ折り、旅用とみえて懐紙以外なものが厚ぼったく挟んである。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)