“情熱の子(パッショネート・チャイルド)” の例文
ほんとに保が多計代の情熱の子ならば、何かの不安から保のそばをはなれかねる気分が多計代になかったという方が、伸子にすれば納得しかねた。
伸子は、いつだったか父の友人が、保さんという御子息は奥さんの情熱の子ですね、といったことを思い出した。多計代は、そういわれたとき非常に満足の表情をした。
保が生きてゆく具体的な内容よりも、多計代にとっては、彼がいつも変らない母の情熱の子であるという意識の方がさきに映っているのではないだろうか。保は、どういうことになるのだろう。