“怳”の読み方と例文
読み方割合
とぼ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのうへ彼はにつこり目元にとぼけた愛嬌をたたへて、じつとたえ子を見返したが、その目の底には暗い影が隠せなかつた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
「やつぱり酒を飲むのかい。」氷川が言ふと、彼はわざととぼけた不満顔で、「そんな事言ふない」と笑つてゐた。
倒れた花瓶 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
磯村の妻は「さうでしたか。」と言つてとぼけてゐたが、実を告げなかつた彼女の気持は磯村にはわかつてゐた。
花が咲く (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)