弘通ぐつう)” の例文
仏教弘通ぐつうの勢力に因ったがもちろんながら、サルは去ると聞えるに反してマシラは優勝まさるの義に通ずるから専らこれを使うたと見える。
いらい松田一族は、この流離の宮——後醍醐の異母弟にあたる人——を擁して、日蓮宗の弘通ぐつうをおもてむきに、密々この地方の宮方結盟を計っていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)