引汐時ひきしおどき)” の例文
それは水まで届かないで砂地に落ちた、引汐時ひきしおどきだったので、水はずっと向うまで引いていたのだった。
晩夏 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
やむをえず河岸へ出たものだ。ところがちょうど引汐時ひきしおどきであったから、それへ荷物をウーンと出したものだ。すると、また上潮あげしおになって来て、荷物は浮いて流れ出す。