帉帨はんけち)” の例文
お定は膝の上に握つてゐた新しい帉帨はんけちを取るより早く、少し伸び上つてそれを振つた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
路で逢ふ人には、何日いつになく忸々なれ/\しく此方こつちから優しい聲を懸けた。作右衛門店にも寄つて、お八重は帉帨はんけちを二枚買つて、一枚はお定に呉れた。何處ともない笑聲、子供の泣く聲もする。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)