客人マレビト)” の例文
客人マレビトをもてなすに大切なのは、道具である。其道具を預つて居るのが、藤原氏であつた。今日でも、民間に、椀貸伝説はいくらも残つて居る。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
家長を祝福した前段と、吾子たちと呼びかけた饗宴に列座してゐる人々に対して言ふ詞章と、とこよたちと言ひかけた客人マレビトに申す詞との三段である。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
唯この夜、家々の男は悉く外に出て、処女或は巫女の資格ある女が、協同作業ユヒ斎屋イミヤ——或は個々の家——に待ち申して、此客人マレビトをもてなす事が行はれたらしい。
客人マレビトも あるじも 身をぞ縮めをる。下えつよき 狭き屋のうち﹆
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)