婚嫁こんか)” の例文
婚嫁こんかに色の変わりやすき衣を着ざるは、結婚の変わらぬように祈るの意なり。贈り物の水引きは結び切りにして返さざるもまた、帰るを避くるなり。
妖怪学 (新字新仮名) / 井上円了(著)
桃之ももの夭々ようよう、其葉蓁々しんしん、桃の節句は昔から婚嫁こんかの季節だ。村の嫁入よめいり婿取むことりは多く此頃に行われる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
趣味の上からは高潔純正をよろこび、高い理想の文芸を味おうてる身で、生活上からは凡人もいやしとする陋劣ろうれつな行動もせねばならぬ。八人の女の子はいつかは相当に婚嫁こんかさせねばならぬ。
去年 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)