「何かまだ申上度儀御座候やうながら、あまり長事ながきこと故、まづ是にて擱筆かくひつ奉待後鴻候こうこうをまちたてまつりそろ頓首とんしゆ。」此に二月十九日の日附があり、壽阿と署してある。あては苾堂先生座右としてある。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)