埔里ほり)” の例文
ころぶようにして漸くそこまで辿たどりつくと、吉村視学は蕃人蜂起のことをすぐに電話で埔里ほり郡役所に伝えた。事件が外部へつたわった第一報である。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
しかし、蕃人たちは既にそれよりさき、埔里ほり武徳殿や、付近の桜温泉の新築やに賦役ふえきを命じられている。引きつづいて新しい賦役が与えられたことに不満である。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)
能高郡守小笠原敬太郎がわざわざ埔里ほりの町から出張に及んで会に臨席していることも、父兄たちの誇らしい話題になっていた。植民地の郡守といえば羽ぶりのいいことは内地の知事以上である。
霧の蕃社 (新字新仮名) / 中村地平(著)