寂然じゃくぜんは『唯心房集ゆいしんぼうしゅう』に四十九首の創作今様いまようをのこしたし、鴨長明のこころみた『方丈記』の散文体は、明澄の理智を写すに適したはずであった。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)