可哀かはゆ)” の例文
塔を下るとき、われフエデリゴに名謁なのりしに、この人は想ふにたがはぬ舊相識にて、さては君は可哀かはゆき小アントニオなりしかと云ひて我手を握りたり。
我胸はあらゆる我を喜ばせしものとあらゆる我を慰めし者とを一掃して去らんと欲せり。然るにかく思議する間、終始我心目の前に往來するものは、可哀かはゆきララと罪深きサンタとの面影なりき。